近年、インターネットの普及や動画配信サービスの台頭などにより大きな変化を迎えているテレビ業界。現在、テレビの視聴率は低下傾向にありテレビ広告費も減少しています。このような状況のなか、テレビは10年後どうなるのでしょうか。今回はテレビの将来について未来予測をしてみましょう。
テレビの現状はどうなの?
実業家のホリエモンこと堀江貴文氏が、2035年10年後のニッポンの未来を予測した本を出しています。テレビのことも書かれていますので、ぜひ読んでみてください。
テレビの視聴スタイルの変化
テレビの視聴スタイルは、近年大きく変化しています。従来は、テレビをつけて放送される番組を視聴するのが一般的でした。しかし、今はインターネットの普及により、いつでも、どこでも、好きな時間に、好きな番組が視聴可能です。また、動画配信サービスでは、オリジナルコンテンツの充実が進みテレビ局のコンテンツとの差別化が図られています。
このような状況のなか、テレビ局は視聴者に選んでもらえるコンテンツを制作することが重要になってくるでしょう。そのためには、視聴者のニーズを的確に把握し、それに応える番組を制作する必要があります。また、動画配信サービスとの連携を強化も必要になるでしょう。テレビ局のコンテンツをより多くの方に届けることも重要になりますね。
テレビの収益構造の変化
テレビ局の収益構造は、テレビ広告費が中心となっています。しかし、ここ数年テレビ広告費はインターネットの普及により減少傾向に。そのため、テレビ局はテレビ広告費以外の収益源を拡大していく必要があります。
収益源の拡大には、コンテンツビジネスの強化が有効でしょう。コンテンツビジネスとは、テレビ番組や映画などのコンテンツを販売・配信することで、収益を得るビジネスです。テレビ局は、オリジナルコンテンツの制作を強化するとともに、動画配信サービスとの連携を強化し、コンテンツビジネスを拡大していく必要があるのではないでしょうか。
テレビの役割の変化
テレビは、これまで私たちに情報を提供したり、娯楽を提供したり、社会をつなぐ役割を果たしてきました。しかし、インターネットの普及により、情報や娯楽は、テレビ以外の手段でも入手できるようになっています。
これからのテレビは、新たな役割を模索していく必要があるでしょう。例えば、テレビは地域やコミュニティの拠点として、人々の交流やコミュニケーションの場となることが期待されています。また、テレビは教育や学習の場としても活用可能です。いずれにしても、テレビの役割は今後どんどん変化していくと思われます。
テレビの広告費
インターネット広告費は3兆円超え
日本最大の広告代理店・株式会社電通によると2022年の日本の総広告費は、7兆1,021億円で前年比 104.4% と15年ぶりの過去最高を更新しました。そのうち、テレビ広告費は1兆6,768億円で、前年比97.6%とやや減少しました。一方、インターネット広告費は3兆912億円で、前年比114.3%と大幅に増加しています!
テレビ広告費は、2020年にコロナ禍の影響で大幅に減少しましたが2021年に回復し、2022年は再び減少しました。これは、視聴率の低下や動画配信サービスの台頭などが原因と考えられます。
インターネット広告費は、2020年から2022年にかけて、3年連続で2桁の成長を遂げました。これは、インターネットの普及や動画広告の拡大などが原因と考えられます。
今後も、テレビ広告費は減少しインターネット広告費は増加していくと予想されています。
テレビは10年後にサブスク化?
【2035年未来予測 10年後の日本①】危機に直面する基幹産業と日本人が買えなくなるものとは?ホリエモンが本気の未来予測! 中田敦彦のYouTube大学 - NAKATA UNIVERSITY
中田敦彦氏のYouTube大学でも10年後の日本を未来予測していますので、ぜひご覧ください。
民法のテレビ局は、広告収入の減少に伴い利益を上げるため、NHKのようにサブスク化される可能性があると予測されています。
サブスクとは、サブスクリプション(subscription)の略で、語源としては、雑誌の予約講読や年間購読という意味からきている言葉です。 ある商品やサービスを一定期間、一定額で利用できるような仕組みのことを指します。
しかしながら日本のテレビ局のサブスク化には、いくつかの課題も。
既存のビジネスモデルとの兼ね合い
日本のテレビ局の収益は、テレビ広告費が中心です。サブスク化を進めると、テレビ広告費が減少し、収益が減ってしまう可能性があります。そのため、既存のビジネスモデルとの兼ね合いを図る必要があるでしょう。
技術的な課題
サブスク化を実現するためには、技術的な課題もあります。例えば、コンテンツのDRM保護や、視聴ログの管理などです。これらの課題を解決するためには、技術的な投資が必要です。
日本のテレビ局のサブスク化は、今後も検討されていくでしょう。視聴者のニーズや技術的な課題が解決されれば、サブスク化は日本のテレビ局にとって新たな収益源となる可能性があります。
今のテレビは将来どうなるのか
テレビの将来は、大きく分けて以下の2つの方向性で進んでいくと考えられます。
インターネットとの融合
テレビ業界は、近年のインターネットや動画配信サービスの普及により、広告収入の減少や視聴者数の減少など、大きな課題に直面しています。このような状況のなか、テレビ局はインターネットとの融合を進めることにより、新たな収益源の確保や視聴者層の拡大を目指すことになるでしょう。
具体的には、テレビ番組の見逃し配信やリアルタイム配信、動画配信サービスとの連携など、インターネット上でテレビコンテンツを視聴できる環境の整備です。また、YouTubeやTikTokなどのSNSを活用した番組宣伝や、視聴者の意見を反映した番組制作など、インターネットの特性を生かした取り組みも急速に進められていくと考えます。
高齢者層への対応
テレビの視聴者層は、若年層のテレビ離れにより高齢者層にどんどんシフトしています。そのため、テレビ局は高齢者層への対応を強化することで、テレビの需要を維持・拡大を目指すことになるでしょう。
具体的には、高齢者が使いやすいテレビ番組やサービスや高齢者向けの番組制作など、高齢者層のニーズに合わせた取り組みが進められています。また、高齢者層がテレビを視聴しやすい環境を整備するため、テレビの視聴補助機器の開発や、テレビの視聴を支援するサービスなども提供されていくでしょう。
上記の方向性から、テレビの将来は以下のような変化が起こっていくと考えられます。
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テレビ番組の視聴方法は、インターネットとの融合により、テレビ放送だけでなく、インターネット配信や見逃し配信など多様化していく
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テレビの視聴者層は、高齢者層を中心に構成されるようになる
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テレビ局は、インターネットや高齢者層への対応を強化することで、テレビの需要を維持・拡大することを目指していく
具体的には、2030年頃にはテレビ放送の視聴時間はインターネット配信や見逃し配信などの視聴時間に追いつくか、逆転する可能性もあります。また、テレビ局の収益源は、広告収入だけでなく、インターネット配信や動画配信サービスからの収入も重要な位置を占めるようになっていくでしょう。
テレビは、今後も私たちの生活に欠かせないメディアであり続けると思います。しかし、インターネットや高齢者層への対応など、テレビを取り巻く環境は大きく変化していくため、テレビ局はそれに適応した新たな戦略を模索していく必要があります。
急速に普及していくチューナーレステレビ
テレビを見ない若年層は、今後チューナーレステレビにシフトしていくと予測します。NHKも民放テレビも映らないチューナーレステレビは、YouTubeや動画配信が見たい10代~20代の方にとって最高のテレビなのですから。
チューナーレステレビは、NHKとの受信契約が不要でNHKも民法テレビも映りません。
チューナーレステレビに関することは下記の記事で詳しく解説しています。
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「チューナーレステレビとは?」次世代型テレビを詳しく紹介
チューナーレステレビとは、テレビ受信機能を備えていないインターネット動画配信サービスを視聴するための専用テレビのこと。地上波、BSなどテレビ放送を受信するためのテレビチューナーを搭載していないため、本 ...
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今のテレビは10年後に大きく変化する
今ある地上波を受信する一般的なテレビは、10年後には大きく変化する可能性が高いと予測されています。視聴スタイルの変化や収益構造の変化、役割の変化など、テレビを取り巻く環境は大きく変わっていくでしょう。同時にNHKも民法も映らないチューナーレステレビは、今後広く普及していくと筆者は考えています。